食品表示を前に、いつもため息をついていませんか?
「原材料が多すぎて、何が何だか…」
「アレルギー持ちでも安心して食べられるものって、どうやって見分ければいいの?」
そんな悩みを抱えているあなたへ。
この記事は、食品表示の見方が分からなくて困っている食物アレルギーの方、食物アレルギーのお子さんを持つ親御さん、そして食物アレルギーのある家族のために料理をするすべての方に向けて書きました。
ちょっとしたコツを知るだけで、食品表示はあなたの強い味方になります。
もう食品表示を前に途方に暮れることはありません。
この記事を読めば、食品表示から必要な情報をサッと読み解き、安全な買い物を楽しめるようになります。
さらに、毎日の食事がもっと安心で美味しいものに変わりますよ!
食品表示はアレルギー持ちさんの羅針盤!読み解き方の基本
食品表示は、私たち消費者が食品を安全に選ぶための大切な情報源です。
特に食物アレルギーを持つ方にとっては、まるで羅針盤のように安全な食品を見つけるための道しるべとなります。
でも、細かい文字や専門用語が並んでいて、どこから見ればいいのか迷ってしまうこともありますよね。
ここでは、食品表示の中で特に重要なアレルギー情報をどうやって見つければいいのか、基本のキから分かりやすく解説していきます。
なぜ食品表示が重要なのか?
なぜ、私たちが食品表示をしっかり読む必要があるのでしょうか?
それは、食品表示が次のような重要な役割を果たしているからです。
- アレルギー源の確認: 原材料名や添加物名から、アレルギーの原因となる物質が含まれていないか確認できます。
- 食品の安全性を確保: 消費者が食品を安全に選択し、健康被害を未然に防ぐために必要不可欠な情報が盛り込まれています。
- 正しい情報に基づいた食品選択: 産地や消費期限、栄養成分などの情報から、品質や安全性、栄養価などを判断し、自身の価値観や必要に合った食品を選択できます。
食品表示、どこを見るべき?アレルギー持ちさんが特に注意すべきポイント
食品表示にはたくさんの情報が載っていますが、食物アレルギーを持つ方が特に注意すべきポイントは大きく3つあります。
- 原材料名: 使われているすべての原材料が、重量の割合が多い順に記載されています。アレルギーの原因となる物質が含まれていないか、しっかりチェックしましょう。
- 添加物名: 保存料や着色料、甘味料など、食品に加えられた添加物が記載されています。アレルギーの原因となる添加物が含まれていないか確認しましょう。
- アレルギー物質に関する表示: 日本の食品表示では、特定のアレルギー物質(特定原材料及びそれに準ずるもの)について、表示が義務付けられています。必ず確認しましょう。
もう迷わない!日本の食品表示ガイド
日本の食品表示は、2015年に食品表示法が施行されてから、より分かりやすく、安全性を重視したものに変わりました。
ここでは、食物アレルギーを持つ方が特に知っておきたい、日本の食品表示のルールとポイントをご紹介します。
アレルギー表示はここをチェック!
日本の食品表示で、アレルギー物質の表示が義務付けられているのは、次のような特定原材料等8品目です。
- 卵
- 乳
- 小麦
- 落花生(ピーナッツ)
- えび
- かに
- そば
- くるみ
これらの特定原材料を含む食品には、必ず食品名のすぐ横か、原材料名の欄に、アレルギー物質として表示されます。
また、特定原材料に準ずるものとして、表示が推奨されている20品目もあります。
- あわび
- いか
- いくら
- オレンジ
- カシューナッツ
- キウイフルーツ
- 牛肉
- ごま
- さけ
- さば
- 大豆
- 鶏肉
- バナナ
- 豚肉
- まつたけ
- もも
- やまいも
- りんご
- ゼラチン
- アーモンド
これら28品目は、食品表示をチェックする際に特に注意が必要です。
「コンタミネーション」表示にも注意
「コンタミネーション (contamination) 」とは、意図的に使用されたものではないにもかかわらず、製造過程においてアレルギー物質が混入してしまうことです。
例えば、同じ製造ラインでアレルギー物質を含む製品を生産している場合や、原材料の生産過程で混入する可能性があります。
食品表示には、コンタミネーションの可能性について、次のように表示されていることがあります。
- 「本品製造工場では〇〇を含む製品を生産しています」
- 「〇〇を含む製品と共通の設備で製造しています」
- 「〇〇が混入する可能性があります」
食物アレルギーの程度によって、これらの表示にも注意が必要です。
不安な場合は、製造業者に直接問い合わせてみるのも良い方法です。
紛らわしい表示に注意!加工食品の食品表示の落とし穴
加工食品の食品表示には、私たちが紛らわしい表示が隠れていることがあります。
特に注意が必要なのは、次の2点です。
- 一括名表示: 複数の原材料をまとめて「調味料(アミノ酸等)」や「植物油脂」のように表示する方法です。アレルギー物質が隠れてしまう可能性があるので注意が必要です。不安な場合は、製造業者に問い合わせましょう。
- キャリーオーバー: 原材料として使用した添加物が、最終製品に微量しか残っていない場合、表示を省略できる制度です。しかし、食物アレルギーの方にとっては、微量でも反応してしまうことがあります。心配な場合は、製造業者に確認しましょう。
安全な買い物を実現!アレルギー持ちさん向け実践テクニック
食品表示のポイントをマスターしたら、次は実践編です。
日々の買い物で食品表示を活用し、より安全に食品を選ぶためのテクニックをご紹介します。
買い物前の準備で不安を解消!
買い物に行く前に、次の準備をしておくと、店頭で迷う時間を減らし、スムーズに安全な食品を選ぶことができます。
- アレルギー物質リスト作成: 自身のアレルギー物質をリストアップしておきましょう。手帳やスマートフォンのメモアプリなどに記録しておくと便利です。
- よく買う食品のチェックリスト作成: いつも買う食品の食品表示を事前に確認し、安全なものをリストアップしておきましょう。リストがあれば、店頭でいちいち食品表示を確認する手間が省けます。
- アレルギー対応食品情報を収集: インターネットや雑誌、専門店などで、アレルギー対応食品の情報を集めておきましょう。新しい製品やお店の情報を知ることができます。
店頭での食品選び、3つの重要なポイント
お店に着いたら、いよいよ食品選びです。
店頭で食品を選ぶ際には、次の3つのポイントを心がけましょう。
- 必ず食品表示を確認: どんな食品を買うときも、必ず食品表示を確認する習慣をつけましょう。今まで安全だと思っていた食品でも、原材料や製造方法が変更されている可能性があります。
- 迷ったら「裏面」もチェック: 表面のデザインだけではなく、裏面の食品表示もしっかりチェックしましょう。原材料名や添加物名、アレルギー物質の表示など、重要な情報は裏面に記載されていることが多いです。
- 「消費者相談窓口」を活用: 食品表示を見ても判断に迷う場合や、不安なことがある場合は、食品表示に記載されている「消費者相談窓口」(製造業者の顧客相談室など)に気軽に問い合わせましょう。専門的な知識を持った担当者が、親切に相談に応じてくれます。
ネットスーパーや通販サイトも賢く活用!
最近では、ネットスーパーや通販サイトで食品を買う人も増えていますよね。
ネットスーパーや通販サイトでも、食品表示の情報を確認できます。
- 商品詳細ページで食品表示を確認: ネットスーパーや通販サイトの商品詳細ページには、食品表示の画像が掲載されていることが多いです。画像を拡大して、文字をしっかり確認しましょう。
- アレルギー検索機能を活用: 多くのネットスーパーや通販サイトでは、アレルギー検索機能が提供されています。自身のアレルギー物質を事前に登録しておけば、該当物質を含まない食品を絞り込んで検索できます。
- レビューや口コミも参考に: 実際に製品を購入した人たちのレビューや口コミも参考になります。アレルギー持ちの人のレビューは、特に参考になるでしょう。
アレルギー情報まとめ、お役立ち情報源をご紹介
さらに安全な食生活を送るために、アレルギー情報を集めるのに役立つ情報源をご紹介します。
- 消費者庁 食品表示企画課: 食品表示制度に関する正しい情報を提供しています。ホームページでは、食品表示法や関連法令、Q&Aなど、様々な情報を入手できます。
- アレルギー支援ネットワーク: アレルギー疾患の患者や家族を支援するNPO法人です。アレルギーに関する相談や情報提供、イベント開催など、幅広い活動を行っています。
- 日本アレルギー学会: 食物アレルギーに関する研究を推進している学術団体です。ホームページでは、食物アレルギーに関する研究情報やイベント情報などを入手できます。
- 各自治体のアレルギー相談窓口: 各自治体でも、アレルギーに関する相談窓口を設置している場合があります。住んでいる地域の自治体ホームページや保健所などで確認してみましょう。
アレルゲンフリーレシピで食卓をより豊かに!簡単レシピ例
食品表示を理解できるようになれば、食材選びの不安が減り、料理の楽しみが広がります。
最後に、食物アレルギーの方でも安心して食べられる、簡単アレルゲンフリーレシピの例をご紹介します。
米粉と野菜の簡単蒸しパン
材料:
- 米粉 100g
- ベーキングパウダー 小さじ1
- 砂糖 大さじ2
- 塩 少々
- 豆乳(または牛乳) 100ml
- 好きな野菜(人参、かぼちゃ、ほうれん草など) 適量
作り方:
- 野菜は細かく刻むか、すりおろす。
- 米粉、ベーキングパウダー、砂糖、塩をボウルに入れ、泡立て器でよく混ぜる。
- 豆乳(または牛乳)を少しずつ加えながら、ゴムベラで混ぜ合わせる。
- 刻んだ野菜(またはすりおろした野菜)を加え、混ぜ合わせる。
- 型に生地を流し込み、蒸し器で15分程度蒸したら完成!
ポイント:
- 野菜は季節のものや、お好みのものを使ってください。
- 砂糖の量は、お好みで調整してください。
- 米粉の種類によって、水分量を調整してください。
- 蒸し器の代わりに、電子レンジでも作れます(耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをして500Wで3分程度加熱)。
このレシピのように、米粉や豆乳などを活用すれば、小麦粉や牛乳を使わなくても、様々な料理を楽しむことができます。
インターネットや料理本などで、アレルゲンフリーレシピを検索してみるのもおすすめです。
まとめ|食品表示を味方に、安心な食生活を
今回は、食品表示のポイントから安全な買い物のテクニック、そしてアレルゲンフリーレシピまで、食物アレルギーを持つ方が安心して食生活を楽しむための情報をたっぷりお届けしました。
食品表示は、決して難しいものではありません。
ポイントを押さえれば、誰でも簡単に理解することができます。
この記事で学んだことを実践して、食品表示を味方につけ、より安全で豊かな食生活を送りましょう!
もし、食品表示についてまだ疑問な点や不安なことがあれば、いつでも消費者相談窓口や専門機関に相談してくださいね。
あなたの食生活がより明るく、楽しいものになることを願っています!